幸福について最も論理的に誰もが納得できる回答を考えてみる

幸福

幸福とは何か、この回答をすることが人類史上最も難しいとすらいえるほど、これが何かということについては太古より議論が続いてきました。しかし、ある時を境に、割とどうでもいいことの1種になってしまったように思います。人は幸福が何かということは分からないが、幸福になりたいと考えていて、幸福が何かということを熱心には追求していないということです。

なんだか早口で意味不明なことを口走ってしまったような感覚ですが、多分ほぼあってます。そこで今回は、タイトルのとおり誰もが納得できる回答を考えてみました。

幸福に関する哲学的、心理学的理論を考えてみる

哲学的にみると

幸福は大きく二つの文脈で捉えることができます。価値観としての「幸福」(豊かさや繁栄に近い意味合い)と、心理学的な記述用語としての「幸福」(例えば「うつ」や「平穏」に似た使い方)​​。幸福には二つの意味があると考えられます。心の状態と、その人にとってうまくいっている人生ないしは物事​​。

ものすごくシンプルではあるものの、物事は単純であればあるほど理解しやすいため、哲学的に見ると幸福は上記の2つに分けられるといえます。このことは、単純であればあるほど曲解に結びつきやすく、これによって他者に害を与えてでも目の前の幸福に飛びついたり、目の前の問題を単純に解決するために長期的な損失を伴ったりすることが合理的ではないように見えてしまういい例の1つともいえます。

心理学的にみると

心理学的な意味では、幸福は生活満足度、快楽、または肯定的な感情状態として理解することができます。幸福の価値観的側面は、個人の福祉、繁栄、利益に関連し、良い運命や「良いhap(幸運)」から派生する言葉です​​。

快楽は長い間、幸福と密接に関連しているとされてきました。現代の視点では、快楽は幸福の重要な要素であると間違いなくいえそうです。エド・ディナーによれば、幸福は主観的であり、人は自分が幸福だと思えば幸福です。彼は主観的な幸福感が時間を通じて一貫しており、特定の性格特性と高い相関関係があり、将来の結果を予測する能力があることを示しました​​​​。

つまるところ、どういうことか?

アリストテレスの時代から、幸福は少なくとも2つの要素で構成されていると考えられています。快楽(ヘドニア)と、人生がうまくいっている感覚(エウダイモニア)​​。近年の研究では、生物学が幸福のレベルに大きな役割を果たすことが示されています。エド・ディナーが主導する研究によれば、不幸は強い遺伝的要素を持ちますが、幸福にはそれがないことが示唆されています。

​もっと簡単に言えば、幸福だと主観する、つまり幸福だと思いこむ力は誰にでもあり、自分にとってそれが今より良い状態に向かっているないしは、それが維持できていると思い込むことは幸福に最も近い感覚であるといえそうです。

幸福に影響を与える社会的、文化的要因を考えてみる

幸福に関する文化と歴史は、特定の社会における自己申告による生活満足度に影響を与える重要な要素です。例えば、経済発展レベルが同じでも、ラテンアメリカ諸国では他の国々と比べて主観的幸福度が高い傾向があるとされています​​。社会や文化が違えば、相対的な出発点が大きく違うことで幸福だと自覚しやすいか、しにくいかという部分に大きな影響を与えているといえます。

社会環境が個人の幸福に影響を与える一つの要因として自由があります。自由を選択し、自分の人生をコントロールできると感じる国々の人々は、幸福度が高いことが分かっています​​。これはしかし、何を持って幸福とするのかという尺度もまた社会や環境によって大きな影響を受けているため、前提があっての、ということになりそうです。

ニュースにおけるネガティブな内容への感情的な露出は、気分に変化をもたらすことが示されています。ネガティブなニュースを視聴した人々は、より悲しい気分を報告する傾向があります​​。そのため、原始的な生活をしている人たちの幸福指数が他の先進国より高い傾向になるのはこういう要素が大きく影響をしていると考えられるのです。

幸福と所得の間には明確な関係があり、富裕な人々が社会内で最も幸福だといえます。経済的に豊かな国の住民は、貧しい国の住民よりも幸福度が高い傾向があります​​。これは後述する教育と職業にも大きな影響を与え、ひいては先述した自由にも繋がるからです。

教育と職業のミスマッチが幸福に与える影響についての研究は、過剰教育が幸福にプラスの影響を与えることを示唆していますが、不足教育の影響はわずかです。また、教育が幸福を高める主な要因は、収入ではなく、社会的ネットワークであることが示されています​​​​。

幸福を高める実践的な方法から考えてみる

科学に基づいた幸福増進の方法

幸福は練習によって育成できるものとされています。幸福を培うための具体的な練習には、「良いことの認識」、「感謝の表現」、「味わう散歩」、「楽しい活動の創造と思い出」などがあります。これらの練習は、人々の幸福感を持続的に高めることができます​​。

幸福の練習には、時に少しの欠乏を導入することも有効です。これは、良いことが繰り返されると、それに慣れてしまい、満足感が減少するためです​​。人はどうしてもあらゆることに慣れる生き物です。慣れがあるため、我々はこの混沌とした日常を生きることができ、大きなストレスを貯めることなく生活を送ることができるのですが、いいことにも慣れてしまうという特性があります。

最も一般的に推奨される幸福増進戦略の有効性についてのレビューでは、感謝の表現、社交性の向上、運動、マインドフルネス、瞑想の実践、自然との触れ合いなどが有効であるといわれています。ただし、これらの戦略の科学的根拠は一部が欠けており、今後の研究が必要とのこと​。

結論

哲学的および心理学的観点から、幸福は心の状態と、個人にとってうまくいっている人生の両方を指すと解釈されます。これには生活満足度、快楽、肯定的な感情状態、および個人の福祉や繁栄が含まれます。

文化的背景、自由の感覚、経済的状況、教育と職業、ニュースメディアの影響などの社会的・文化的要因が幸福に影響を及ぼします。

科学に基づいた戦略(良いことの認識、感謝の表現、味わう散歩、楽しい活動の創造など)は幸福を高める効果的な方法です。

幸福は多面的な概念であり、個々の心の状態、生活の質、社会的・文化的背景、および実践的な行動によって形成される。幸福とはまさに個人がそう感じている状態に他ならず、これには大きな個人差がある。

うーん……何か違いますね……でもいったんここまでにしておきます。

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